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![てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~ [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51f44ER0QuL._SL160_.jpg)
おみくじ評価:中吉
2010年33本目(31作品)です。
【あらすじ】
本土で事業に失敗し、借金を抱えた金城健司(岡村隆史)は、幼なじみの由莉(松雪泰子)との結婚を決意し、沖縄に帰郷。
最初は母の花江(原田美枝子)に反対されるも、新しく始めた事業が成功し、晴れて由莉と結婚。
しかし、久しぶりに潜った海で、サンゴ礁が危機的な状況であることを目の当たりにした健司は、経営している店舗をすべて畳み、妻と2人の子供達に、きれいだったサンゴの海をまた見せてやりたいという強い思いから、自らの手でサンゴを養殖しようと決意。
専門知識や資金が無い中、健司はサンゴを海に移植するという世界でも前例の無い計画にチャレンジするのでした。
【レビュー】
世界で初めてサンゴの移植産卵に成功した金城浩二氏の実話に基づく物語です。
その金城浩二さんの人柄の良さにも感心させられましたが、ストーリーの内容とは別に、沖縄のきれいな海や沖縄のスローライフっぽい、のどか雰囲気にも魅了される作品でした。
僕は高校の修学旅行でしか沖縄には行ったことがありませんが、思わず、「そうだ、沖縄行こう」と口にしてしまうほど、沖縄の良さが伝わってきました(笑)



山あり谷ありで、苦境を乗り越えるサクセスストーリーの作品は良く目にしますが、健司のサンゴの養殖にかける熱意や、「沖縄の海を絶対に守りたい!」という願いが強く伝わってきました。
軌道に乗り出した事業を捨て、前例がなく、成功するかどうかも不透明なサンゴの移植に挑戦し、周囲の一部には無鉄砲な行動を冷やかされて、生活が苦しくなれば、普通は断念してしまうものですが、そんなことをものともせずに、「なんくるないさ〜」と果敢に行動する健司の姿は、沖縄っぽくもあり、男らしさも垣間見えました。
ただ、上手くまとまっている作品ではあるのですが、サンゴ礁とはどういうものなのか、サンゴ礁がなくなると、どういう悪影響を及ぼすのかを子供達にも、もっと分かりやすくナレーションなどで盛り込んでも良かったと思いましたね。
キャスティングに関しては、ガレッジセールや、ボクシングの具志堅用高など、沖縄出身の人を何人かキャストしても良かったのでは、と思うことがありましたが、どの出演者も非常にマッチしていました。
また、金城健司を演じたナインティナイン・岡村の笑いを一切排除した演技も素晴らしいのですが、どんなに苦しい状況下に置かれても、笑顔をふるまって健司を応援する妻の由莉や、その友人、組合長(國村隼)ら多くの人々が健司の夢を叶えてやろうと裏で支える姿も印象的でした。



個人的には、サンゴの移植を学者達に批判されて落胆する健司に、重要なアドバイスをする海洋研究者の緑川を演じた渡部篤郎が、過去の役でも見たことが無い、おどおどした演技は新鮮で、なかなか良い味を出していたと思います。
沖縄に住んでいるのに、松雪泰子が色白だったり、人をグーで殴るシーンがそれなりに目にするなど、違和感のぬぐえない箇所も少なからずありましたが、岡村の沖縄の方言に関しては、それほど違和感はありませんでした。
僕も沖縄出身の知り合いがいますが、その人ものんびりとした口調でしたからね(笑)
「てぃだかんかん」で涙そうそう(沖縄の方言で涙がこぼれ落ちる)とまではいきませんでしたが、とても緩やかな気持ちにしてくれる作品で、家族で一緒に沖縄に行きたくなるような内容になっています。
ゴールデンウィークということで、親子連れの映画が上映されていますが、この作品もぴったりと言えるのではないでしょうか。
また、沖縄に興味を持っていたり、いつか沖縄に行ってみたいという方には、良い「予習」になるかもしれませんね。
<最後に余談>
今年の沖縄県は、興南高校がセンバツで優勝したことや、米軍基地の移設問題など、良い意味でも悪い意味でも大きく注目されていますが、この作品をきっかけに、この30年間で9割が死滅しているというサンゴ礁の実態を現在以上に大きく取り上げられることを願っています。
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