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評価:9.0/10点満点
2009年103本目(97作品)です。
【あらすじ】プラティニ国際音楽コンクールでの優勝後、千秋真一(玉木宏)は、ルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者に抜擢されるも、全然やる気のない団員たちの態度を目の当たりにし、がく然。
一方、のだめこと野田恵(上野樹里)は、千秋を見守りながらも、音楽学校の進級試験を控え、練習に励む毎日を送っていたのでした。
【レビュー】
こんなにゲラゲラ笑いながら映画を見たことってあったかな??
思わず、そうこぼしてしまうくらい笑わせてもらいました!
のだめの変態っぽい口調や、シュトレーゼマン(竹中直人)の片言の日本語を使った演技など、見方を変えると、「出演者が一番楽しんでいるじゃないか」と思うような内容になっていますが、そういった懸念も吹き飛ばしてくれるほど、ギャグシーンには面白みがありました。
大げさに言うならば、
笑いとクラシックが
上手にコラボレーションできている作品!
と言ったところでしょうか。
また、千秋と孫Rui(山田優)とのハグに嫉妬したのだめが、千秋の肩に噛み付いたり、谷原章介の顔芸などにも大いに笑えました。
その中でも僕が一番笑ったのは、「ボレロ」の終盤で、ワックスに足を滑らせた演奏者の頭に銅鑼がぶつかるシーンで、あれは反則ですね(笑)
舞台がヨーロッパだけに、当然演奏者は外国人なわけですが、出演者の声が全て吹替えだったことも笑いのツボを押さえていました。
洋画の吹替え版は、どうしても違和感が生じるため、洋画は絶対に字幕!と決めている僕にとっては、最初は字幕版の方が良いと思っていましたが、
むしろ、その違和感を逆手にとって笑いを誘っており、最初から字幕にしていた場合は、コメディ色が薄れていたかもしれませんね。
また、CGも上手に取り入れており、千秋との初共演に喜び、町中でビラを撒いたり、アニメの動物とのだめが踊るシーンには、「こりゃ参った」と一本取られた気分でした。
テレビドラマの映画化は、2時間のスペシャル版でも十分と思えるような作品も少なくありませんが、この作品に関しては、クラシック音楽がメインだけに、普通のテレビでは味わえない美しい音響で堪能でき、なおかつ映画館ならではの臨場感や迫力も感じることができました。
さらには、思わず失笑してしまうほど下手な「ボレロ」から、終盤のチャイコフスキーの楽曲まで、
誰もが一度は聞いたことのある音楽を聞かせた上に、「ボレロは各演奏者の実力が明らかになる怖い楽曲だ」など、千秋の分かりやすい説明を盛り込んでいるため、
クラシック音楽をほとんど聞いたことがない方でも十分楽しめると思います。
上野樹里の、のだめはとてもキュートで見事なハマリっぷりには脱帽です。
笑わせるところはしっかり笑わせて、千秋が指揮をするオーケストラの公演が見事に大成功し、千秋との実力差を痛感したのだめが泣きながら「ずるい」と言ってショックを受けて落ち込む表情にはギャップがあり、とてもメリハリの利いた演技ができていたと思います。
また、「ライアーゲーム」や「ブラッディ・マンデイ」など、普段はシリアスな役柄が多いエリーゼ役の“みっちゃん”こと吉瀬美智子の声を張った口調やテンション高めの演技もとても印象的でした。
全体的なストーリー展開を見ても、笑えるところは思い切り笑えて、クラシックの演奏の真面目?なシーンでは感動でき、とりわけ、チャイコフスキーの「序曲1812年」では、足でリズムを踏んだり、思わず拍手をしそうになるほど、演奏にのめり込むことができました。
ただ、笑えるシーンが終盤にもあっても良かったんじゃないかと言う気持ちもありましたね(ちょっとわがままかな…)
現地に観光したくなるようなヨーロッパの古典的な風景を見ても楽しめますし、クラシックの各曲を聴きながら楽しむのも良し、のだめと千秋の迷?コンビに重点を置いて見るも良しと、いろんな角度から見ても楽しめるのもこの作品の特徴と言えます。
実を言うと、僕はドラマ版の「のだめ」は、ほとんど見たことがなかったんですが、そんな僕も思う存分楽しむことができました。
見ようかどうか悩んでいる人はぜひ映画館に足を運んで見てください。
私、ミスターシネマの2009年最後の映画鑑賞にふさわしい作品でした。
後編では清良(水川あさみ)や龍太郎(瑛太)など前編ではほとんど出番がなかった共演者も活躍しそうですし、のだめと千秋の恋の行方がどうなるかなど、今から楽しみです!
「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」は、2010年4月17日公開予定です!
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