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評価:6.5/10点満点
2009年84本目(79作品)です。
【あらすじ】
阿古姫(柴本幸)という幼なじみの婚約者がいて、将来も約束されている畠山家の次男・直光(小栗旬)。
家臣の桜丸(田中圭)の陰謀により、山中に逃げ込んだ二人は盗賊の多襄丸(松方弘樹)に襲われ、そのすきをついて逃げ出した阿古を追う多襄丸を殺めてしまった直光は、多襄丸から自分の名前を継ぐよう託されるのでした。
室町末期に名門・畠山家の次男に生まれながら盗賊・多襄丸となった直光(小栗旬)と阿古姫(柴本幸)、直光の地位を狙う桜丸(田中圭)らの数奇な運命を描いた作品になっています。
【レビュー】
小栗旬は舞台が多いこともあり、セリフも舞台の演技っぽく感じましたが、全く違和感はありませんでした。
「火天の城」ほどではないにしても、先代・多襄丸の松方弘樹や、足利義政役の萩原健一など、
ベテラン俳優もとてもいい味を出した演技をしていました。
ただ、キャスティングで物足りなさを感じたのが、子役と桜丸役の田中圭です。
直光たちの幼少期を演じた子役のセリフは、お遊戯会と思ってしまうくらい棒読みに聞こえるときがあり、もう少し感情の入った演技のできる子役にすべきだったと思います。
また、田中圭に関しては、僕の固定観念が邪魔をしていた部分もあるかもしれませんが、ドラマでも悪役が少なく、憎たらしい役に完全になりきっておらず、殺陣のシーンに関しても、エネルギーを感じられなかったため、迫力不足という印象が否めませんでした。
松方弘樹の演技は前述したとおり、存在感が大きく感じるほどの演技をしてくれましたが、一瞬のスキを突かれて直光に刺殺されるのが非常にあっけなく、何ヶ所も刺されているのに、長時間喋っているため、リアルさに欠けていました。
このシーンに関しては、息の根が止まるまでの時間をもっと短くするべきだったと思います。
多襄丸となった直光は、その日の夜に道兼(やべきょうすけ)率いる盗賊と遭遇し、盗賊団の頭になりますが、その成り行きもコミカルにするのではなく、圧倒的な力でねじ伏せて頭になった方が見ごたえやまとまり感があったのではないでしょうか。
退屈にはなりませんでしたが、全体的に評価をすると、
1人の男の成長を描いた物語なのか、ラブストーリーなのか、
焦点がハッキリせず、一貫性のない作品に見えました。
桜丸に捕虜された阿古姫が、助けに来た直光の目の前で、地獄谷に自ら飛び降り、直光自身も飛び降りて追いかけるシーンにおいても、死んでもおかしくないのに、直光には大きなケガがなく、あっさりと地獄谷を脱出できてしまうため、本当に地獄かと拍子抜けしてしまうほどでした。
せっかく直光が助けに来たのに、阿古姫がなぜ自ら飛び降りたのかも謎で、登場人物の行動が唐突だったのも事実です。
また、ラストの直光と桜丸の決闘で、先代・多襄丸からもらった究極の剣が、他の武士の剣は容易に切断できたにもかかわらず、桜丸の刀だけは切断できないなど、矛盾点も多いため、
小栗旬のファンの方には楽しめる作品かもしれませんが、映画の内容を重視して見ようとしている方には、物足りない作品に感じるかもしれません。
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