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評価:7.5/10点満点
2009年63本目(58作品)です。
【あらすじ】
1958年ドイツ。
猩紅熱で体調を崩していた15歳のマイケル(デヴィッド・クロス)は、自分を助けてくれた21歳年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)に一目ぼれをし、学校の授業が終わるたびに、ハンナの家を訪れては体を重ね合わせる日々。
順調に思えた関係でしたが、ある日突然、ハンナが失踪。
それから8年後。
法科大学生になったマイケルはゼミの一環として傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席にいるハンナを発見。
ユダヤ人を大量に死なせた罪に問われていたハンナの過去を知り、真実を犠牲にしてまで秘密を守ろうとした決意を目の当たりにしたマイケルは、ハンナを助けられず、距離を置いてハンナを見守るだけしかなかったのでした。
【レビュー】
この作品の前半は、裸のオンパレードで驚きました。
アダルトビデオかと思うくらい激しいベッドシーンの連続で、PG-12の年齢制限が甘く感じるほどエロティックでした。
街中で病気を構ってくれたお礼に訪ねてきたマイケルに、わざとスカートをたくし上げてストッキングを装着するところを窓の外から覗かせるところから、マイケルはハンナの「罠」に見事にはまってしまったといえます。
数日後に訪れたマイケルに石炭まみれで汚れるのを分かっていながらも、地下倉庫にある石炭を運ばせて、服を汚しては、お風呂に入るよう誘導。
「のぞかないから…」と安心させて風呂上がりに背後からバスタオルを掛けた時には、ハンナは既に全裸になっており、背後から彼に胸から体全部を押し当て、「これを望んでここに来たんでしょ」と彼を捕まえてしまうシーンは女を知らない15歳ならまんまと誘惑におぼれてしまうと思います。
少年役のデヴィッド・クロスが18歳になってからラブシーンが撮影されたそうですが、とても18歳とは思えないくらいのベッドでの演技は上手でした。
あれほどまでにラブシーンを演じる18歳は世界的に見ても、そうはいないのではないでしょうか。少なくとも、日本では認められないと思います。
ただ、マイケルがハンナを好きだという気持ちはなんとなく伝わったのですが、
授業が終わって急ぎ足でハンナの家に駆けつけ、到着してまもなく、服を脱ぎ捨て、
ハンナをせかすシーンを見ていると、
ハンナはマイケルの恋人ではなく、ただの「性欲処理係」にも見えました。
後半になると、単なる若い少年の性を扱った作品とは打って変わり、戦争と平和をモチーフにしたストーリーに変化していきます。
周囲からすればたいしたことではないことでも、人に隠したい秘密は個人によって違うため、ハンナにとっては一大事だったのでしょう。
ハンナは文盲というコンプレックスを裁判でも明かさずに、無期懲役という重罪を受けることとなり、それを抵抗せずに受け入る一方、コンプレックスを分かっていながらも、何もできずに涙を流すマイケルの姿がとても切なかったです。
ハンナが自分で読まずに、朗読をマイケルに頼んだことや、事務職への昇進を辞退した理由も徐々にわかっていきます。
ケイト・ウィンスレットは、ハンナの複雑な気持ちを見事に表現して演技ができていたと思います。特に、60代の老人役の特殊メイクには驚きました。
また、惜しげもなく裸体を披露する姿は、プロ意識といいますか、役者魂が垣間見えており、オスカー受賞もうなずける演技をしていたと思います。
裁判でのやり取りだけでなく、収容所での看守時代の回想シーンを入れると、より感情移入ができたのではないでしょうか。
涙を流すほどの感想作ではなかったものの、とても深みがあり、余韻の残る作品でした。
年が大きく離れた男女のラブストーリーでもありますが、歴史を見つめるきっかけを作る作品でもありました。
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